すずめの戸締まり裏設定をネタバレ考察!ダイジンの正体や3本足の椅子の意味は?

新海誠

大ヒットアニメ映画、新海誠監督の新作『すずめの戸締まり』の裏設定をネタバレ考察!

ダイジンの正体や3本足の椅子の意味は?

このテーマでお送りしていきたいと思います。

新作公開のたびにさまざまなメディアで考察がされることでもご存じ新海誠監督のアニメ。

一般の評価を探っていると興味がそそられるサジェストを蜜受けてしまいました。

”すずめの戸締まり・裏設定”

はい、調査しないでいられませんねこんなの!

ということで、さらに深掘りしていくとこんなキーワードも発見。

”すずめの戸締まり・ダイジン・正体”

”考察・椅子”

オバケさん
オバケさん

”2回目でようやくわかった!”とかな

ということで『すずめの戸締まり』は何を伝えたいのか?

どんなメッセージが隠されているのか?

気になる言葉がたくさんありますので、早速調べていきましょう!

注意:今回の調査に関してはネタバレがありますので、まだ内容を知りたくないというユーザーさんはここからは観覧注意ですが、この映画1回観てもなかなか理解できないという特性があるので、この記事を読んでからでも十分楽しめると思います。

ネタバレなしで観たい方は映画を見てからこの記事を読んでいただけたらと思います。

念押ししておきます^^

ネタバレが嫌だけど、新海誠の情報が知りたいと言う方は、新海誠の作品はつまらない?全部似てるし面白くないといった口コミを調査した記事でも、監督に対する違った評価を知ることができますので、よろしければ読んでみてください。

すずめの戸締まりの裏設定は仙台の震災?【ネタバレあり】

新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』が全国で大ヒット上映中です。

新海誠映画特有の「どういう意味?」と言ったシーンが盛りだくさんで、この映画のテーマは”鎮魂”です。

これは多くの方が映画を見て感じられたと思うんですが、”裏設定”としてのテーマは”自分との和解”と言われています。

この映画は、11年前の震災が舞台となっています。

つまり2011年の震災から11年後、映画が公開された日も11月11日と、”11”をすごく意識していて、”震災を鎮魂する”というのが裏設定として考察できるのではないかと思います。

君の名は。』や『天気の子』でも津波や洪水などの震災が描かれているので、新海誠監督の中ではこの”震災”というのを強く意識されて映画の設定に持ってきていると考えられます。

今までの映画では、直接は3.11仙台宮城の震災について触れてなかったのを、今回ストレートに表現しています。

戸締まりとは「岩戸隠れ」のこと?

まずは新海誠監督の映画というのは、大きく流れが決まっています。

今回も流れは7段階。

新海誠監督のストーリーパターン
1:神様や神社が出てくる
2:神様のパワーで不思議なことが起きる
3:片割れとなる存在と出会い秘密を共有する
4:2人が大きな使命を背負う
5:主人公が選択・決断を迫られる
6:神の力で奇跡や超常現象が起きる
7:片割れと協力し使命を果たして運命を書き換える

この流れが新海誠監督の作品には必ず設定されています。

今回の『すずめの戸締まり』に出てくる神様、それが「ヒミズの神」という存在です。

コチラは仮想の神なのですが、これが何を意味しているかというと、パンフレットなどには「日不見(ひみず)」と書いています。なので太陽を見ないという意味になってきます。

これは古事記で言う「岩戸隠れ」のシーンを表していて、天照大神(太陽の神)が岩戸の中に閉じこもって日が見えなくなる。

それによって色々な災いが起きると言うのが「岩戸隠れ」のシーンです。

太陽が見えない = 日不見の神

として表しています。

あるいは火と水で”ひみず”で火と水の神とも考察でき、今回の映画の歌に”赤と青”というのが”火と水”と置き換えられます。

太陽が見えないと言うことは光が見えない、光を忘れてしまうと言う意味も込められているのでは?

つまり「岩戸隠れ」によって太陽が見なくなってしまっている、それは心の中の太陽(希望の光)がなくなってしまっている状態なのでそれを変えていく。

太陽を復活させるというのを今回の映画で「岩扉開き」を描いているといった裏設定が考察できます。

RADWIMPSの主題歌「すずめ」の歌詞にも裏設定が?

『すずめの戸締まり』の主題歌RADWIMPSの「すずめ feat 十明」の歌詞にも裏設定が仕込まれています。

歌詞冒頭の「君の中にある赤と青の線」の意味。

赤 → 動脈

青 → 静脈

動脈は出ていく血管で、静脈は帰ってくる血管。

歌詞の「それらが結ばれるのは心の臓」となります。

この心の臓というのが今回の映画でいう”常世”。

結ばれるのは心の臓

常世の世界でつながる

これを表しているとも考えられます。

鈴芽が胸元の”リボンをぎゅっと結ぶ”シーンも関与してきて、女性の鈴芽(赤)と男性の草太(青)が常世の世界(心臓)で再び出会うことを表しています。

動脈が”過去”、静脈が”未来”を表していると考えると、子供の頃の自分と大人になった自分との出会いも表していうとも考えられます。

「後ろ戸」「ミミズ」の意味は?

この映画の前提となる価値観として、”土地に残る人々の記憶”というのがあります。

地鎮祭(じしんさい)とよばれている神道の行事がそうで、土地を買ったり建物を建てる前に土地の怒りを鎮めて、神様に守ってもらい安全を祈願することです。

人々が忘れてしまった廃れた土地には神様が降りなくなって、ネガティブな記憶が溜まってしまいます。

そういう土地に「後ろ戸(うしろど)」という扉が開き、その土地のネガティブなエネルギーが「ミミズ」となって出てきます。

それが大地震を起こすという設定です。

映画の中に出てくる”常世”では、人の心の「歪み」が「ミミズ」となって出現します。

環(たまき)と鈴芽が2人とも雰囲気が変わり表情も全然変わって言い争いをするシーンがありますが、あれがまさに溜まった感情が一気に噴出する、つまり心の中の”後ろ戸”が開いて”ミミズ”が溢れ出てくるということになります。

新作映画公開時にはネットでの評判が物凄い事になるのでも有名ですが、その分アンチも発生してしまうのは人気の印でもあります。

新海誠の作品はつまらない?全部似てるし面白くないといった口コミを調査したので、併せて読んでいただいて、より深く新海誠の本質を見てみてください。

ダイジンの正体を徹底考察!なぜ草太を…意味は?

『すずめの戸締まり』にはダイジンという猫が出てきます。

今作最も不可解な存在で、鈴芽と草太の、運命を大きく狂わせるこたになった張本人です。

正直ダイジンに関してはその行動や存在自体にが多く、本作を難しくしていた要素の一つでした。

ざっと調べてみたのですが、しっくりくる考察がなかったのですが、仮結論としてみなさんの解読をまとめてみたいと思います。

ダイジンとサダイジンは要石?

ダイジンの本当の目的は「ミミズ」を常世に止めるため、要石を適切な位置へ再配置する事だと考えられます。

「ミミズ」を常世に止めるためにはその時代時代で適切な位置に要石を配置する必要があります。

ダイジンは自分があの位置で要石としての力が弱まっていくことを察知し鈴芽に要石を抜かせ、後ろ戸に案内することで災害を防いだ結果、ダイジンとサダイジンが最後は要石となりました。

ただ、その過程に基づくと一つの謎が残ります。

それは草太を“椅子”に変えてしまった事です。

そのため鈴芽は閉じ師になる必要があり、今回の旅を厄介なものにしてしまいました。

そこで考えられるもう一歩踏み込んだ考察が、鈴芽に優しくされた事で要石の役割を放棄したくなったという事です。

数十年、数百年と要石の役割を担ってきたダイジンは現世に戻れたことで自由を満喫したかったのでしょう。

そして、自分のパートナーとして鈴芽を選びました。

ただ、草太という存在が邪魔だったため草太を椅子に変え、ただし要石の場所まで草太と鈴芽を案内することにしたのではないでしょうか。

だとすると、あの不可思議な行動にもある程度合点がいきます。

そのほかの疑問としてサダイジンとは親子の関係なのかなとも考えられますが、再会を喜ぶシーンがないのでその線も薄いです。

改めて整理すると、ダイジンは要石の役割を担っていた神の一種であり、自由を求めて役割を放棄したくなった。

しかし、鈴芽と草太を再開させるためにもう一度正しい場所で要石としての役割を全うすることに決めた少しだけ悲しい神ということになります。

鈴芽と同じように日本を猫の姿で旅して鈴芽を好きになって、旅の過程の中で自分の過去(要石という役割)と向き合い、再度要石へと戻る。

実は鈴芽とダイジンも同じ過程と結果を迎えているんですね。

まさにもう1人の主人公はダイジンと言っても過言では無いでしょう。

ダイジンは人間で過去の鈴芽なの?

本作においてダイジンは非常に重要な役割を担っています。

ダイジンと鈴芽の関係は実は鈴芽と環さんの関係と同じように描かれています。

ダイジンがガリガリで鈴芽を見つめ、鈴芽はダイジンに対して「うちの子になる?」と言います。

同じように被災地でうずくまっていた4歳の鈴芽に向かって環さんは「うちの子になろう」と声をかけます。

そしてダイジンは鈴芽が気にかけてくれることとは裏腹に鈴芽の大切な草太を椅子に変えてしまい、後ろ戸へと案内する事で鈴芽を翻弄し日本縦断の旅へと誘います。

鈴芽と環さんの関係も同じ構造になっていて、環さんの心配をよそに草太を助けるため勝手に旅に出ます。

「ダイジンと鈴芽」「鈴芽と環さん」は自分の家族へ誘い、それぞれ相手の心配や不安をよそに勝手に行動するという共通点が物語に随所であらまれています。

ここで重要なのはダイジンとの、この旅を通じてスズメが保護者の視点を見つけられた事です。

ダイジンの本当の目的を知った鈴芽は、一度は突き放したダイジンと協力して草太を救い出します。

同様に鈴芽の目的を知った環さんは詳細はわからないまでも自分の娘を信じて旅に同行します。

このように自分の子供(家族)を信じる経験を経て鈴芽は環さんの心情や心配を共有することができました。

だからこそ環さんと鈴芽がボロボロの自転車に乗ってすずめの実家に向かうシーンで、環さんが自分の本音を伝えたことを誤った時に鈴芽はそれを受け入れることができました。

鈴芽を育てることが辛いと思ったことはあるが、それだけではないと環さんは鈴芽に伝えています。

このシーンはある種、本作のロードムービーとしての執着地点でもあります。

ダイジンと鈴芽と環さん

この3人の関係が家族というテーマの軸になっていました。

ダイジンを人間(幼少期の鈴芽)として解釈することもできます。

ダイジンは鈴芽の心?

映画の中では”神様”と簡単に言われてましたが、ダイジンとは”鈴芽の心を反映している象徴”なのではと考えます。

ダイジンは鈴芽に何度も「好き?」と聞いてくるのはなぜか。

まるで鈴芽が自分のことを受け入れられていないという状態の時に「あなた自分のこと好き?」と自分で問うているように感じられます。

鈴芽は嫌な記憶を全部扉の中に押し込めて鍵をし、本当の自分を受け入れられない状態でした。

だけど、ダイジンに「すき?ねぇ鈴芽すき?」の何度も聞かれていくことと、いろんな人たちと触れ合うことで自分のこと自分の過去を受け入れることができます。

その時に役目を終えたダイジンがまた要石に戻ってしまったことになります。

そして最後、鈴芽と草太が二人同時に要石を挿すというシーンですが、二人で同時に赤と青の線が心の臓で一つに繋がるように封印します。

これによって地震を止めることができました。

すずめの戸締まりの椅子が3本足の謎は?

次に3本足の椅子についてです。

これは、先ほども出た土地を鎮めるという行為の中に”結界を張る”というものがあります。

要石というものは鎮める結界ものとして実在するものですが、結界というのはいくつかの要石を置いた中が沈められた状態になります。

そもそも椅子は4本足で支えられていますが、映画に出てくる3本足の椅子というのは足が一本ないことで結界が崩れてバランスが壊されている状態を暗示しています。

3.11の大震災によって足が一本取れた設定なのですが、それによって鈴芽の心にも忘れている(欠けている記憶)記憶があり、それが心の中の結界を壊してしまって鈴芽の中の未消化な記憶、嫌な記憶、封じ込めたい記憶が溜まっていた、その状態をあの椅子で表現しているのでは?と考察します。

【岩戸鈴芽】名前の由来の裏話は?

『すずめの戸締まり」の主人公鈴芽の本名は「岩戸鈴芽」です。

まず「岩戸」というのは古事記の岩戸隠れの岩戸で、「鈴芽」ですがこれには2つの意味があります。

1つは天照大神が岩戸隠れした際にアメノウズメという神様が踊って岩戸を開けさせます。

このアメノウズメの”ウズメ”部分を捩って”すずめ”としています。

さらに、鈴芽の母は”つばめ”と言いますが、つばめの”つば”は椿という漢字を書きます。

アメノウズメは椿大社という神社に祀られているので、そこからきていると考えられます。

2つ目の意味は鈴芽の”鈴”は伊勢神宮にある五十鈴川の鈴で、天照大神が祀られているのが伊勢神宮なのでそこにつなげられているようです。

行ってきますおかえりの意味は2回目で理解できる?

『すずめの戸締り』での最後のセリフは鈴芽から草太に対する「おかえり。」でした。

すずめの戸締り2回目行ったんですが、1回目は理解不能で複雑な気持ちで終わったんですが、その後考察とか調べてもう一度行ったら、なんか清々しい気持ちで終わったような気がします。

Yahoo!知恵袋

この最後の「おかえり。」というセリフはすごく心に残ります。

私はむしろ「おかえり!」から新たなストーリーがはじまる予感はしました

Yahoo!知恵袋

行ってきます。も新たな時代に進む感じもしますよねー

Yahoo!知恵袋

映画を見終わった後、何がそこまで心に刺さったのか、簡単に言葉に言い換えることができないのです。

改めて思い返すとコレはこの映画を通じて日常やこれまでの日々への感謝を感じたからだとおもいました。

すずめは今回の旅を通じて草太をなくすという経験をしました。 

しかし、草太を思う気持ちを持ち続けた事で草太と再開することができ、旅を通じて過去の自分を肯定することができました。

行ってきます

つまりこの物語は行って帰ってくるという何気ない日常で出来たことが叶わなくなってしまうことへの恐怖。

「おかえり。」という言葉に込められた安心感や安堵感が一気に押し寄せて感動します。

これは、震災で家族や恋人を失ってしまい、いつも何気なく言っている「おかえり。」をもう2度と言うことができなくなってしまった、とてつもない悲しみの裏返しとしての設定とも考察できるのではないでしょうか。

だからこそ、近くにいる大切な人に感謝をし、何気ない会話も大切にしながら前を向いて人生を送っていこうというシンプルでとても大事なメッセージが含まれています。

おかえり。

ラストのひとことこそが、新海誠監督が1番伝えたかった言葉だと感じました。

すずめの戸締まり裏設定の調査まとめ

以上で新海誠監督最新作『すずめの戸締り』の裏設定をネタバレ考察!

ダイジンの正体や3歩足の椅子の意味を調査してみました。

いかがでしたでしょうか。

今回の映画もいつものように新海誠エッセンスがふんだんに盛り込まれたストーリーとなっていました。

1回目を観た後で、みんながそれぞれ考察し、2回目を観てさらに違う考察も足していくのがまた楽しいんですよね^^

自分なりに感じた裏設定をsnsで発信して、ファンの方々とアツく議論する。

一つの映画で何度もおいしさを味わえるといった現象は、新海誠映画の良さでもあると言えます。

今回はやや荒い考察にはなりましたが、こういった視点もあると捉えていただければ嬉しいです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。